#01
イラストレーター/ライバー
河地りん
自分がデザインしたキャラに魂が吹き込まれる!
ママ兼ライバーとしての活動とは
イラストレーター 河地りんさんインタビュー
キャラライブアプリ「IRIAM」のライバーにイラストを提供するママとしての活動にとどまらず、ご自身もライバーとなってライブ配信に挑戦する、ママ兼ライバーとして活躍の場を広げていくイラストレーターの河地りんさん。
『IRIAMストーリー』第1回目では、どこかあどけなさが漂う可愛らしいイラストを描かれる河地りんさんが考えるキャラを作り上げること、ママ兼ライバーとして、それぞれの活動におけるエピソードを伺いました!
─様々な創作活動でご活躍中の河地さんですが、イラストを描き始めたきっかけは何ですか?
物心つくころから絵心がある姉を真似してよく絵を描いており、特に「神風怪盗ジャンヌ」の種村有菜先生の絵の模写をたくさんしていました。オタク系の絵を描き始めたのは小学生の時で、二次創作のイラストをよく描いていた友達と一緒に携帯サイトに投稿し始めたのがきっかけです。
─活躍の場を広げていく中で、IRIAMのライバーにイラストを提供するママになった理由を教えてください。
1枚のイラストを提供することによって、IRIAMのライバー達と一緒に1からキャラクターを作り上げていける、今まで1人だけでは実現できなかった新しい表現を生み出せるという嬉しさが最大の理由です。それまでは、動画やライブ配信の世界に踏み入れた経験がなかったので、ライバーにイラストを提供するママとしての活動からコンテンツを大きくしていく楽しさを学んでいます。
─ライブ配信で使用される目的のイラストを描くにあたって、意識していることはありますか?
一般的な大型コラボやイベントなどで立ち絵がズラッと並ぶポスターでも、「〇〇ちゃん / くんだ!」と、見た時に一目で分かるようなデザインにするように心がけています。シルエットや色使いでパッと分かるように、使い回された流行りのモチーフの組み合わせは避けて、長く愛されるようなデザインになっていけたらいいなと思って描いています。
─IRIAMのライバーに提供するイラストにおいて、気をつけている点はありますか?
ライバーといえどもキャラクターなので、ママとしてその子の世界観が崩れないように注意をしています。アニメ制作と同様、基本のLive2Dモデルと出来るだけキャラクターデザインが離れないことはもちろん、ちょっとした小物や装飾、バナーなどもライバー本人の好みや表現したい内容で一貫されているように配慮しています。
─キャラクターを作り上げていくことに対しては、どのようにお考えでしょうか。
現実の自分は優柔不断だったり周りに影響されやすかったりで、良くも悪くも確固としたキャラクター性を持てない一方で、キャラクターはそれを持てるのが魅力ですよね。VTuberブーム以降、誰もが気軽にキャラクターになれる時代に、ある意味「ジョジョのスタンド」や「しゅごキャラ」が現実になったんだと感じています。今まで自分の引き出せなかった部分を、キャラクターというフィルターを通して最大化できる強みがあると思います。
花の都の春祭り🌸 pixiv
─順調にママ活動を進める中で、ご自身が描いたイラストがライブ配信で活躍している様子を見るのはどんな感覚なのかお聞きしたいです。
今まで自分がデザインしたキャラクターに魂が吹き込められ、しゃべる姿なんて経験がなかったので、とても新鮮な感覚が最初は強かったです。声だけでなく、Live2Dや3Dで動く自分の作品が、1枚のイラストの表現にはない表情や動作をするのでライバーさん達の表現を逆に参考にすることもあります。また、ライバーさん達のファンアートを見るのも楽しんでいます。他の人が、自分の作品を描くとこうなるんだと、毎回新鮮な気持ちになるので下手したら本人たちより見ているかもしれませんね(笑)
─ママとしてライバーに関わることの楽しさ、よかったと感じることは何でしょうか。
率直な感想は、めっちゃくちゃ楽しいです!どのライバーさん達も企画が素晴らしくユーモアに溢れるので、毎回配信が楽しみで仕方ないです。推しは多けれど、やはり自分がキャラデザを担当したライバー(娘・息子達)贔屓になっちゃいますね(笑)また、それぞれのファンの方々がママである私のことも気にかけてくださり、温かい反応を頂けることに感謝ばかりです…!
─イラストを提供したライバーと、配信以外での関わりについて教えてください。
関わりは普段からありますね。Twitterで会話を交わしたり、自分のライブ配信に遊びにきてもらったりと交流しています。ただし、一定の距離は保っていこうと意識しています。一緒に企画するなど運営側として深く関わるのではなく、あくまでママとして活動を見守り、応援していく立場でありたいと考えています。
─ママとしてライバーの活動を応援していく立場で、懸念点はありますか?
ネガティブな意見は特にありません。ただし、この界隈のいちファンでもあるので、色んなライバーさんを追っかけていきたい気持ちはあるのですが、ママという立場でライバーさんやファンの方々にご迷惑をかけてしまうのではないかといった懸念から、ファン活動を一定以上は控えるようにしています。輝かしいステージに立っているライバーさんを客席からこっそり見守る気持ちなので、「ママだから」ということで、必要以上に目立つ行為はしないです。
─イラスト提供だけでなく、ご自身もライバーを始めたきっかけは何でしょうか。
大きく2つ理由があります。1つ目は収益化して副業のひとつにしてみたいなと思い、2つ目は「ガワ(※)」というアイコンを持つことによって、人により覚えてもらうことですね。例としては、手塚治虫先生や、やしろあずきさんなどの方々を参考にしています。
そこで、2つ目の理由を説明すると、私はそもそも趣味嗜好が雑食気味で共通したモチーフや版権のファンアートが少ないので、「〇〇の絵といえばこの人」という一貫性の強みがないんです。でも、それが逆に自分の強みとして活用できるのではないかと考えています。それまでは、イラストレーターはポートフォリオである程度の幅広い表現力や新しい挑戦をしていくことだって大きな強みでしたが、だからといってフォロワーの増加に繋がるわけではなく、案件もあまり回ってないように感じていました。自分はガワを被ることで、色んな絵を描いても私自身を見てもらえるフォロワーさんがついてきてくれる、そんな両立できるアイデアではないかと仮説を立ててライバーを始めました。
(※)バーチャルキャラクター
─ライブ配信を始めるにあたって、不安要素もあったと思います。実際に始めてみての感想をお聞きしたいです。
そもそも喋るのが得意な方ではないので、リスナーさんに頂いたコメントを上手く返せるのかが一番の心配事でした。いま実際に配信してみても、お絵描き配信では絵を描きながら喋らないといけず、両立してうまく進行できないことが多々あり改善点は多いなと感じています。
─IRIAMでのキャラライブにおいては、ご自身の変化や実現したことはありますか?
通常のお絵描き配信のように画面を見せることもなく、より「自分自身」にフォーカスされた配信ができるので、リスナーさんとより身近な会話が実現できたというのがIRIAMをやってみた感想ですね。結果、リスナーさんととても距離が近くなったのでは!?と勝手に感じています(笑)
─どんな時にIRIAMで配信したいと思いますか?
毎回ゲリラ配信で、気軽にお喋りしたい時に使いたいです。YouTubeの方はある程度戦略的にチャンネルを育てていきたいのでその息抜きにIRIAMへ。YouTube動画制作では、「こういう客層が一番見てるからこうしよう」とか「ここを改善していこう」など、毎回頭を使って投稿しようとするのは疲れてしまうので…。身体の力を抜いて、まるで友達に話すような感覚で「今日こういうことがあってさ〜!」というノリで、IRIAMはリラックスできる場として使いたいですね。
─河地さんの日々の生活のルーティンに、IRIAMで配信することはどのように入ってきてますか?
ルーティンというほど決まってはいないのですが、イラスト制作の際に作業用BGMとして聞くことが一番多いです。テレビやゲーム実況だと、どうしても画面を見ないといけなくなるので集中力が続かないですが、ラジオやIRIAMのような音声に特化した配信は目線は作業に向けられるので、ちょうどいいなと使いやすさを感じています。
─今後、IRIAMのイラスト配信機能を使用して挑戦したいことは何でしょうか。
挑戦ではないのですが、一番は最もアクティブなファンの方向けに雑談配信でしょうか。特にライバー活動で人気になりたい!という気持ちではなく、あくまで新宿ゴールデン街の一軒のような…。ふらっとお店を開いて、ふらっと常連さんが寄ってきてくれて、ふらっと帰っていくような、これからのIRIAMでそんな居場所になれたらいいなと思っています。
─ご自身のママ兼ライバーそれぞれの活動において、キャラクターを生み出すこととは?
ライバーやリスナーさん達と何か新しい機会が増えることは楽しいのですが、自分自身の創作活動や仕事の時間との両立はちゃんと考えないとなと感じています。本心では、どんどん自分が生み出した娘・息子達のファンアートなどを描いていきたい気持ちですが…。本職の営業も兼ねているTwitterのアカウントでそればっかりの活動だと、どうしても「身内ネタ」となってしまうので、もっと共感度が高い話題とのバランスが難しいなと考えています。
─これからIRIAMのイラスト配信機能は、イラストを描いている人にとってどのような存在になるでしょうか。
現在、色んなジャンルのクリエイターが技術の高さだけでなく、個性や多様性にも注目されるようになり、イラストレーターもそうだと感じています。個々の力を活かして、YouTubeで絵のノウハウを教えたり、アニメーションを作ってみたり、スタンプや着せ替えを販売してみたりなどと、創作活動がどんどん多様に開拓されつつある中でライブ配信もそのひとつになるのかなと。気軽に1枚のイラストで配信できることで、絵描き自身がライブ配信をしてファンとのコミュニケーションを図るだけでなく、ライバーのキャラメイクのお仕事に繋がるなど発展していけばいいですね。個人的には、今までのライバー1体ごとのキャラクターデザインのお仕事だけではなく、昨今のPicrewやVRoidの流行も踏まえて、キャラメイク用の「イラスト素材」の販売なども普及すればいいなと思っています。